2023年6月24日開催:第2回シンポジウム
私たち、(一社)日本ワインブドウ栽培協会では、日本のワインブドウの基盤を構築するために活動を続けております。
50年先、100年先まで続く、持続的なワイン造りを考えるうえで、ブドウ栽培を最適化していくことは、極めて重要なことです。
当たり前のことですが、収穫したブドウは否応無しに、そのブドウで造られたワインの味わいに影響し、品質の決め手となります。
めくるめく世界情勢の中、そして変動する気候のもとで今、すべきことはなんなのか、皆さんと考えていくためにも、6月24日にシンポジウムを開催いたしました。
【第一部 講演会】
基調講演は、仏ブルゴーニュの老舗ドメーヌ当主で今年、函館にワイナリーを設立するエチエンヌ・モンティーユと当協会の執行理事ブルース・ガットラヴが対談します。テーマは「50年後、100年後のワイン造りのために」
その他苗木商と造り手の対談、日本ワイン各産地の動向などをお伝えしました。
~シンポジウム詳細~
①メイン対談:50年後、100年後のワイン造りのために
エチエンヌ・ド・モンティーユ(オンライン参加):ドメーヌ・ド・モンティーユおよびド・モンティーユ&北海道 当主
ブルース・ガットラヴ:(一社)日本ワインブドウ栽培協会執行理事、10Rワイナリー代表社員、ココ・ファーム・ワイナリー取締役
今年、函館でワイナリーをスタートさせる、ブルゴーニュの老舗ドメーヌの当主、エチエンヌと当協会執行理事で日本で34年間、ワイン造りを続けてきたブルースが、日本で50年後、100年後もワインを造り続けるために、今何をすべきかについて語ります。
エチエンヌ・ド・モンティーユ
ドメーヌ・ド・モンティーユおよびド・モンティーユ&北海道 当主
1963年 ディジョン生まれ 60歳(6月24日時点)
1985年 ワイン醸造技術者ディプロマ取得
1989年 パリ政治学院ディプロム取得
1998年~2001年 BNP Parisbas勤務 ワインスピリッツ担当役員
2002年 ブルゴーニュに戻り1995年より父ユベールと共同経営者になっていたドメーヌを引き継ぐ
現在はドメーヌ・ド・モンティーユ当主(37㏊)、
2016年 カリフォルニア州サンタバーバラにラシーヌワインズ設立
2017年 日本(函館)にド・モンティーユ&北海道プロジェクト開始
②(一社)日本ワインブドウ栽培協会(JVA)の活動について
鹿取みゆき:(一社)日本ワインブドウ栽培協会代表理事・信州大学特任教授
私どもの協会も設立4年目を迎えて、新しいステージ入っています。今後、JVAが取り組む事業展開についてお伝えするとともに、課題を提示しました。
③パネルディスカッション「ワイン造りを根底から支える苗木産業」
苗木商:菊地義和/菊地園芸、陳裕達/マザーバインズ、櫻井茂雄/ニッポン緑産
造り手:JVAの理事3名
明治時代に日本においてワイン造りが始まった時から、苗木産業は日本のワイン造りを支えてきました。それは海外においても同様です。日本の苗木産業の実態と今後の展望について苗木商と造り手たちがディスカッションしました。
④各地域の最新動向
造り手:JVAの理事(数名)
各地においては、気候変動や病害の発生の変化に伴い、栽培品種の再検討を余儀なくされるケースもあります。例えば、長野県では今までワイン用原料としては1位だったナイアガラが激減しています。こうした各地の最新の動向とそれに向き合う造り手たちの奮闘を理事たちが伝えました。