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 一般社団法人 日本ワインブドウ栽培協会を設立します

  

近年、日本のワイン産業は急速に発展しています。2018年には戦後最多の31件ものワイナリーがあらたに設立され、今では北海道から九州まで、じつに300件を超えるワイナリーが稼働しています。

 

ワイン造りはブドウづくりといわれるように、ワインの生産の根幹は、いかにして上質なブドウを得るかということにあります。栽培者たちは、ヨーロッパとは異なるこの日本の大地にあった品種、最適な栽培方法を、これまで、試行錯誤しながら探し出し、実践してきました。それはとりもなおさず、「日本の風土を映し出すワインの味」を探す旅でもありました。 

 

しかし現在、日本では、そのブドウづくりのおおもといえるブドウ苗の供給に関し、深刻な問題が発生しています。

 

品種の多様性の乏しさ、クローンの種類の圧倒的な少なさに加え、昨今の新規参入者の流入による需要増加で、苗の品質を保つのが容易ではない状況になっています。また、アメリカやフランスで購入できるようなウイルスフリーの苗を、日本で入手することは簡単ではありません。この一連の苗の問題は、現在、日本ワインの発展のボトルネックになっています。それだけではなく、ワインブドウについての品種、栽培方法、病虫害についての知見が共有化されていないことも、発展の妨げとなっています。 

 

このような状況に立ち向かうべく、私たちは、ワインブドウに関する様々な問題を解決するため、一般社団法人日本ワインブドウ栽培協会(JVA)を立ち上げます。 

 

もっとも大切なのは、日本のワインブドウの生産者たちが、選択の可能性を広げられるようにすることです。ウィルスや病害虫に侵されていない健全かつ、日本にはまだ入ってきていない様々な苗を輸入することで、より日本の栽培環境に適応する品種やクローンを探し出していくことが可能になると私たちは考えます。

今年度、まずは急務である苗木問題を解決すべく、海外から様々な品種、クローンの苗木の輸入から着手し、信州大学の協力のもと、国内で民間初となる隔離検疫施設を設立し、隔離栽培の実証を行います。将来的には苗木業者などとも協力し、多様で良質な苗の量産体制を築いていくことを目指します。 

さらに私たちは、苗木の提供にとどまらず、官公庁や研究機関、自治体などと協力しながら、品種やクローンの情報、栽培方法、病害虫の防除についての最新の情報を集め、共有化していく体制づくりも始めます。

 

ブドウの樹は100年近く生存することができます。私たちも今から20年後、50年後、100年後を見据え、「日本の風土を映し出すワイン」が確立し、世界の市場においてもその位置づけが不動のものとなっていくよう、私たちは生産者に寄り添い、その活動を支援していきます。